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放置すると最悪な結果につながりかねない歯周病

何の対策もしないまま歯周病を放置すると、どんどん病状が悪化して顎の骨が溶かされ、支えを失った歯が抜け落ちてしまいます。歯周病は免疫力と関係があることがわかっており、免疫力が低下する30代から歯周病のリスクが高まります。大切な歯を失わないように、広尾・西麻布の歯医者「たまきデンタルクリニック」で歯周病対策を行いましょう。

歯周病は歯を失う原因の1位

歯周病は歯を失う原因の1位

8020推進財団の調べ(2005年)によれば、日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病(41.8%)で、第2位の虫歯(32.4%)を上回ると報告されています。「歯周病」がおそろしいのは、痛みや違和感がほとんどないまま進行すること。歯ぐきの腫れや出血といった「ちょっとしたサイン」を放置してしまうと、顎の骨が溶かされて歯が抜け落ちてしまう可能性があります。

大切なのは、日頃から歯周病を招かないように適切な予防ケアに努めること。そしてもし歯周病になってしまっても「ちょっとしたサイン」を軽視せず、すぐに治療を受けることです。

成人の約8割が歯周病または予備軍

成人の約8割が歯周病または予備軍

驚くことに、日本では成人男女の約80%が歯周病かその予備軍であると言われています。つまり、特に問題がなく健康に見える歯や歯ぐきでも、歯周病によってダメージを受けるリスクがあるということです。

8020推進財団の調査(2005年)を見てみると、34歳以下では虫歯や外傷などが歯を失う主な原因となっていますが、35歳以上は急激に歯周病の割合が高くなっています。免疫力が低下するのは30代から。30歳を過ぎたら、トラブルがなくても一度歯周病検査を受けてみるほうがよいでしょう。

今すぐできる歯周病チェック~こんな症状はありませんか?~

下のチェックリストを活用して、あなたの歯周病リスクを自己診断してみましょう。チェック項目が多ければ多いほど、すでに歯周病が進行している可能性が高くなります。

  •    朝起きると、口の中がネバついている
  •    ブラッシングの際、歯ぐきから出血する
  •    歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
  •    お口の臭いが気になる
  •    強く咬みしめると歯が痛い
  •    歯ぐきが赤く腫れている
  •    歯が以前より長くなったような気がする
  •    歯がむずがゆく感じることがある
  •    歯ぐきに膿がたまっているかもしれない
  •    歯がグラグラ動く

糖尿病患者の方は歯周病にも要注意

糖尿病患者の方は歯周病にも要注意

最近の研究から、歯周病菌が高血圧や心臓病、糖尿病といった全身疾患の引き金になることが明らかになっています。また一方で、糖尿病にかかっている方は歯周病を発症するリスクが高くなることもわかってきました。ではなぜ、糖尿病が歯周病リスクを高めるのでしょうか?

糖尿病が歯周病リスクを高める5つの理由
1 唾液不足で歯周病菌に弱くなる

糖尿病患者は尿の頻度が高くなるため脱水症状になりやすく、唾液の分泌量も減少します。唾液の分泌量が減ると自浄作用も低下するため、口腔内に歯周病菌が増殖しやすくなります。

2 血流が滞るため傷が治りにくくなる

糖尿病患者は動脈硬化が起こりやすく、血管が傷つきやすい状態にあります。とくに末梢にある歯周組織はその影響を大きく受け、創傷作用(傷を治癒させる能力)が妨げられる傾向にあるため、歯周病のダメージを受けやすくなります。

3 免疫力が低下して感染しやすくなる

高血糖状態では白血球の働きがにぶくなるため、全身の免疫力が低下します。唾液不足による抗菌作用の低下とあいまって、歯周病菌への抵抗力が弱まります。

4 炎症物質が増えて顎の骨が溶かされやすくなる

糖尿病患者の多くは肥満気味であることから、多量の脂肪細胞から炎症性サイトカインと呼ばれる物質が過剰につくられます。この炎症物質が、歯を支える顎の骨を溶かすと言われています。

5 異常代謝で細胞に障害が起きやすい

高血糖状態が続くと体内で異常な代謝が引き起こされ、細胞組織を障害するさまざまな物質がつくり出されます。これらが歯周病を悪化させると考えられます。

喫煙は糖尿病を悪化させ、歯周病を加速させる

喫煙は糖尿病を悪化させ、歯周病を加速させる

「糖尿病の方はそうでない方に比べて2倍も歯周病になりやすい」と言われていますが、そのリスクをさらに高める要因となるのが喫煙です。これは、タバコに含まれるニコチンが気道の免疫系に悪影響を及ぼし、血管収縮作用によって糖尿病で滞った血流をさらに悪化させるため。さらに歯周病は動脈硬化を促進させる要因であることもわかってきましたが、これに喫煙が加わることで、動脈硬化による心臓病、脳卒中などのリスクが高まります。

歯周病治療で血糖値が改善されることも

歯周病治療で血糖値が改善されることも

上述のように、歯周病と生活習慣病である糖尿病の間には大変恐ろしい関係があることがわかりました。しかし一方で、歯周病を治療することによって血糖コントロールが改善したという例も報告されています。糖尿病患者の方は、日頃の食事制限、運動療法と並行して、歯周病治療を受けられることをおすすめします。

放っておくと取り返しがつかないことに歯周病と全身疾患について

症状別・歯周病の治療法

プラークや歯石を取り除くことは歯周病治療・歯周病予防の基本ですが、それでも患部が改善しない場合には外科的処置を実施します。こちらでは、進行段階別に歯周病の処置方法をご紹介します。

歯周病になってしまったら、何よりも放置しないことが重要です。港区西麻布の歯科医院「たまきデンタルクリニック」で、適切な歯周病治療をお受けください。

軽度歯周炎

軽度歯周炎

ブラッシングしただけで歯ぐきから出血するような場合は、軽度の歯周炎である可能性が高いと言えます。歯ぐきが腫れると歯と歯ぐきの隙間が大きくなり、歯周ポケットと呼ばれる溝ができてしまいます。ここに歯石やプラークがたまることで、歯周病はさらに進行します。

スケーリング

スケーリング

歯周ポケットの奥深くにこびりついた歯石や細菌のかたまりなどを、「スケーラー」という器具でかき出す処置です。セルフケアでは落とせない頑固な歯石を、これで除去します。
中等度歯周炎

中等度歯周炎

炎症が一段とひどくなり、歯と歯ぐきの間の溝が深くなってしまった状態です。腫れ、出血、口臭などがひどくなるだけでなく、歯を支える顎の骨が溶けて歯がグラグラし始めるのもこの段階です。

ルートプレーニング

ルートプレーニング

歯周ポケットの奥にたまった歯石やプラークを「キュレット」という器具で削り取ります。続けて、プラークの再付着を予防するために、歯根面をなめらかに整える処置を行います。
重度歯周炎(歯槽膿漏)

重度歯周炎(歯槽膿漏)

歯を支える顎の骨がさらに溶けて歯ぐきが下がり、歯がいっそうグラグラになった状態です。こうなると歯ぐきから膿が出て、口臭もひどくなります。この状態をさらに放置すると、顎の骨の大部分が溶けて歯が抜け落ちます。

フラップ手術

フラップ手術

重度の歯周炎では、歯ぐきを切開し、歯の根元に付着した歯石や歯周病菌に侵された組織を取り除く外科処置が必要となります。これを「フラップ手術」と言います。

エムドゲイン法

エムドゲイン法

歯周病によって失われた歯周組織を再生するための治療です。再生させたい部分にエムドゲインゲルという特殊なタンパク質の一種を塗ることで、歯周組織の再生を促します。
エムドゲイン法を用いた歯周病治療について
治療前

エムドゲイン法を用いた歯周病治療を受ける場合は、はじめに歯周ポケットの深さを測定したり、レントゲン撮影を行ったりして歯周病の進行状況を把握します。ケースによってはエムドゲイン法を用いなくて済む場合、健康状態などによってエムドゲインゲルを使用できない場合もあるので気をつけておきましょう。

治療直後

麻酔をかけたら、歯肉を切開して剥離します。続いて歯根面を清掃してきれいにし、エムドゲインゲルを塗布します。最後に切開した歯肉を縫い合わせたら、処置は完了です。治療にかかる時間は一般的に1時間程度ですが、手術後はしばらく休んでからご帰宅いただきます。後日、抜糸の処置が必要になります。

治療後

切開した部分は自然に治っていきますが、炎症や感染症のおそれがありますので、指や舌などで患部を触らないようにしてください。術後3~6週間は、消毒薬で口腔内を洗浄していただきます。患部のブラッシングや抗生物質の服用については、歯科医師の指示に従いましょう。

定期検診について

治療が終わった後、機能的な歯周組織を取り戻すために数カ月~2年程度かかります。歯周組織が再生する期間や程度は個人差がありますので、術後は定期的な検査を受けるようにしましょう。